【艦これ】叢雲改二ボリュームアップした? その2

「そうだ……、これを着てみてくれないか」
叢雲「何――、ってそれ指定水着っ!? まさか私のっ!? どうしてあんたが持ってるのよっ!? や、理由は明白だけどっ!」
「果たしてその推測、正しいかな……?」
叢雲「何でそこで強気なのよっ。――ほら、返してっ」
「着てくれるんだ」
叢雲「着ないっ」
「……」
叢雲「こともない、けど……っ」
「嬉しいなぁ。更衣室ならそこにふたつ用意したから」
叢雲「譲歩した途端にコレだっていうか、手回しすごいっていうか、ひとつで充分でしょっていうか、見た感じふつうの試着室っぽい方はまだしもこっちの、肩の高さの円い枠に短いカーテンが下がってて大きい時計みたいなのがついてる方っ。これ絶対時間になったらカーテンが落ちるやつっ」
「ちなみに『まだしも』の方も、奥から入り口のカーテンに向かって強い光が照射されて着替えてるひとのシルエットが楽しめる仕組みとか搭載です」
叢雲「こんなのまで出てくるの執務室の模様替え機能っ」

    ◇

「シルエット型を選んだか……」
叢雲「あああ当たり前でしょっ。時計の方、真横からならともかくっ、ちょっと覗き込んだらもう丸見えじゃないっ」

    ◇

「何というか……、形だけ分かるというのは夢が広がるなぁ」
叢雲「変なコト言わないっ」

    ◇

叢雲「き……、着たけどこ、こここ、これ……っ」
「さすがにぱつんぱつんだなぁ」
叢雲「わ、私こんな……、その、お肉、ついてたの……?」
「特に下の方」
叢雲「ううう上だって――、じゃなくて胸っ。胸だけっ。胸だけキツいしっ。あぁキツいわっ。ちょっとだけどっ」
「すっごい食い込んでる。エグいくらいだ」
叢雲「聞いてないしっ、ガン見してるしっ、ていうかえ、えええ『エグい』っ!?」
「――背中の方も大変なコトになってそう」
叢雲「そ、そんなコトないしっ! 絶対ないしっ!」
「回れ右、してみて」
叢雲「しないっ」
「それで少しお辞儀とかしてみて」
叢雲「もっとしないっ!」
「それからしゃがむ」
叢雲「しないって言ってるのに要求がどんどん増えてくっ!」

    ◇

「うわー」
叢雲「『うわー』って言った! 今『うわー』って言ったっ!」
「しゃがむと実際すごい。尾てい骨にがっつり」
叢雲「『尾てい骨』っ!?」

「ワンサイズ下だと、こうなるんだなぁ」

叢雲「――えっ」
「ん?」
叢雲「『ワンサイズ下』……?」
「うん」
叢雲「え……」
「ひとまわり小さいやつ、それ」
叢雲「えぇっ!?」
「こんなコトもあろうかと用意してたやつ」
叢雲「えええ――」

    ――果たしてその推測、正しいかな……?

叢雲「ハッタリじゃなかったのあれっ。リアルに私のじゃなかったのこれっ」
「君に着せるために用意したという点において『君の水着』には違いないから、ハッタリという看破は間違っていなかったともいえる」
叢雲「この流れで理路整然とっ」
「それにしても改二で腰まわりがどーんとしたことで、期待以上の成果だ。素晴らしい……」
叢雲「ど、『どーん』とかっ、言い過ぎっ。そこまではなってないしっ」
「いや、すごいよ?」
叢雲「『すご』……っ!? すごくないもんっ、なってないもんっ」
「――あぁ、いやいや。そうじゃなくて」
叢雲「何よぅ……」
「すごいどきどきする、の『すごい』」
叢雲「――ば、馬鹿っ」
「ちなみに、もっと小さい水着も用意してある」
叢雲「そ、そんなのそもそも着れないと思うっ。どーんとか関係なくっ」
「――あぁ。いやいや、そうじゃなくて」
叢雲「何よっ」
「さらにワンサイズ下の指定水着、じゃなくて」
叢雲「?」
「こういうの」
叢雲「……」
「……」

叢雲「それは水着なのっ!?」

「普段着だったらすごすぎない?」
叢雲「そういう話じゃなくてっ。そんな……、着たって何にも隠れないようなやつっ」
「一日限定でいいから普段着にしてほしくなってきた」
叢雲「そういう話になっちゃったっ! ――そ、そそそ、そんなコトしたらその日っ、あんたにず、ずっと襲われっぱなしっ。絶対そうなるっ」
「それは僕としても保証する」
叢雲「どういう言いぐさなのよ、もうっ! 貸しなさい着たげるからっ!」
「改二になると、脈絡もすごいなー」

                    (了)